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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。


トゲクリガニの季節

No.302


 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、東京など7都府県を対象に「緊急事態宣言」が出されました(2020/4/7)。私が住む青森県十和田市でも、昨日(2020/4/9)、最初の感染者が報じられました。青森県では例年、4月中旬から大型連休にかけて桜の季節になりますが、今年は落ち着いて桜の花を楽しむ状況ではないようです。


 日本三大桜名所の一つに数えられる弘前公園(青森県弘前市、下写真)で行われる「弘前さくらまつり」も、今年は中止となりました。過去に中止となったのは、第二次世界大戦のときだけだそうです。今回の新型コロナの感染拡大は、それに匹敵する事態ということなのでしょう。


 ところで青森県は、大きく日本海側の「津軽地方」(青森市、弘前市など)と太平洋側の「南部地方」(八戸市、十和田市など)に分けることができます。これらの二つの地域は同じ県ではありますが、歴史的にかなり異なる道のりを歩んできました。


 これらの地域は気候もかなり異なります。積雪量が多く冬の厳しい津軽地方では、春の訪れを祝うかのように、盛大に花見を楽しみます(下写真は弘前公園)。


 津軽地方の花見で欠かせない食材として、「トゲクリガニ」があります。小型の毛ガニのような外観で、味も毛ガニと似ています。毛ガニよりも美味と言ってもいいかもしれません。青森県が誇る文豪・太宰治も、トゲクリガニが大好物だったそうです。


 トゲクリガニは、十和田市など南部地方ではそれほど一般的な食材ではなく、花見に欠かせないということもありません。ただ、最近ではスーパーの店頭でもよく見かけるようになりました。上の写真は、一昨日(2020/4/8)、十和田市内のスーパーで購入したトゲクリガニです。まだ生きているものを手に入れ、自宅で茹でた後に撮りました。もちろん、たいへん美味しくいただきました。青森県外ではほとんど流通していないと言われていたトゲクリガニですが、今ではネット通販(楽天など)での購入ができるようです。


 今年は、「弘前さくらまつり」だけでなく、「十和田市春まつり」など、青森県内の主だった行事の中止が伝えられています。8月に開催される青森県最大のイベントである「青森ねぶた祭」(8/2〜7、下写真)も、早々と中止が決定しました。これらのイベントの開催中止は、青森県にとって精神的にも経済的にも大きなダメージとなります。来年は新型コロナが沈静化し、これらのイベントが無事開催されることを祈っています。



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219:青い森の機能性食品素材ハンドブック(2016/08/25)
131:青森県産の乳・肉・卵(2012/12/27)
食品のトピックス | 13:05 | 2020.04.10 Friday |