2010.01.12 Tuesday
宇宙を旅したヨーグルト
No.60
以前、「幻のカレーヨーグルト」(No.43、2009/4/27)で、高知県のひまわり乳業株式会社のユニークなヨーグルトについて、ちょっとだけ触れたことがありました。
ひまわり乳業の製品に、「宇宙を旅したヨーグルト」があります。このヨーグルトに使用されている2種類の乳酸菌は、ロシアのソユーズロケットに積んでもらい、10日間の宇宙旅行をしたそうです。宇宙旅行によって乳酸菌の性質が変わるとは思えませんが、目を引くネーミングではあります。最初、「キワモノ」といった印象を持ちましたが、実際に食べてみてその美味しさに驚きました。「宇宙から生還した乳酸菌」が寄与しているのかはわかりませんが、「ノンホモジナイズド製法」によりクリーム分が製品上部に浮いており、非常に魅力的な食感の製品となっています。私は、「美味しいヨーグルト」といった感じの製品名の方がしっくりすると思ってます。
このヨーグルトをいつか紹介しようと考えていましたが、昨年8月(2009/8/13)の「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ系列)で取り上げられたので、すでにご存知の方も多かったかもしれません。
「青汁ヨーグルト」も、ひまわり乳業の個性的なヨーグルトのひとつです。日本酪農乳業協会の第1回牛乳・乳製品独創性食品コンテストで、オリジナル・アレンジ賞を受賞している実力派ヨーグルトです。食べる前の想像とはまったく異なり、多くの青汁製品のような顔をしかめる味ではなく、かなり美味しく仕上がっています。土佐産の無農薬野菜10種類から得た青汁をゼリーにしてヨーグルトの上に乗せた2層構造は、オリジナル・アレンジ賞に相応しいものです。
「トマトヨーグルト」も意外な素材を用いたヨーグルトだと思います。これもまたよくできた製品です。高知県春野産の美味しいトマトを細かく刻んだものが、思いのほかヨーグルトにマッチしています。
「柚子ヨーグルト」と「土佐文旦ヨーグルト」は、「青汁ヨーグルト」のようにフルーツゼリーをヨーグルトに乗せた文句なく美味しいヨーグルトです。「生姜ヨーグルト」は多少個性的な味ですが、香りの強い生姜を上手にヨーグルトに利用したと言えるでしょう。
ひまわり乳業には、ヨーグルト以外にも注目すべき牛乳・乳製品がいくつかあります。そのひとつが、「高知育ち乳しぼりををした日がわかる低温殺菌牛乳」です。この牛乳のパッケージには、「製造年月日」と「消費期限」に加えて、「搾乳日」が表示されています。通常、搾乳された「生乳」はタンクローリーで集乳された後に乳業メーカーの工場で貯蔵され、加熱殺菌処理を経て「牛乳」として紙パックに充填された時点で「製造年月日」が印字されます。「高知育ち乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」では、搾乳日の翌日にはパック充填しており、この新鮮さ(美味しさ)を明確に消費者に伝えることができます。なお、低温殺菌乳については、「想いやり生乳と加熱殺菌乳」(No.45、2009/5/25)で解説したので、そちらもご覧ください。
今回紹介した6種類の「高知育ちヨーグルト」シリーズのセットは、ひまわり乳業のホームページから注文することができます。このセットには、それぞれのヨーグルトを解説したミニ冊子も付いています。私の記述だけでは美味しさがうまく伝わらなかったかもしれませんが、これらの製品を実際に召し上がってみれば、多くの方は納得されることでしょう。ひまわり乳業のヨーグルトは、大手乳業メーカーの製品には見られない特徴と品質を備えており、全国展開も十分にできるものだと思っています。製品開発を担当されている方は、相当の開発センスを持った方だとにらんでいます。ぜひ一度お会いして、お話を聞きたいものです。
食品のトピックス | 13:07 | 2010.01.12 Tuesday |