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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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かっぱ橋道具街と食品サンプル

No.63


 東京の上野と浅草の間に、「かっぱ橋道具街」があります。もともとは飲食店を営む人たち向けの問屋街でしたが、最近ではガイドブックなどでも紹介され、東京の観光スポットのひとつになっています。下の写真は、かっぱ橋道具街のシンボルとも言える「ニイミ洋食器店」の巨大コック像です。


 また、新しいシンボルとして、平成15年に設置された「かっぱ河太郎像」があります。河童にしては、かなり人間に近くリアルな感じの像で、初めて見るとギョッとするかもしれません。

 かっぱ橋道具街には、厨房用品を中心とした様々なお店があり、「食」に関心のある方には非常に魅力的なところです。人気のあるお店のひとつに、「お鍋の博物館」がありますが、鍋好きの方(?)にはたまらないでしょう。


 テレビなどでもよく取り上げられ、観光スポットとしても人気のある場所として、「食品サンプル」を扱うお店があります。最近では外国人観光客にも人気があるようです。かっぱ橋には、食品サンプルを扱う専門店がいくつかあり、「まいづる」もそんなお店のひとつです。

 子供の頃、デパートのレストランにあったメニューサンプルはそれほどリアルなものではなく、注文して出てくるものもサンプルとはかなり違ったりしたものでした。現在の食品サンプルの出来は素晴らしく、本物以上に本物らしいといってもいいでしょう(下の写真は「まいづる」で購入した「鶏のから揚げ」)。ユーチューブで検索すると、食品サンプル作りの実演ビデオが見れますので、関心のある方はご覧になってください。

 私たち日本人にとっては、食品サンプルは珍しいものではありませんが、日本以外ではあまり利用されていません。確かに海外では、実物の料理が店頭に置いてあることはありますが、食品サンプルを見たことはありません。アジアの一部の国では、利用しているところもあるようですが、非常に少ないそうです。私も海外での食事ではずいぶん苦労したので、海外旅行者の多い飲食店では食品サンプルをぜひ置いてもらいたいものです。日本独自の技術なので、海外市場での展開次第では産業として発展するかもしれません。最近では、従来の食品サンプル以外に、マグネットやキーホルダーなど比較的安価なお土産用の製品(下写真)も増え、新たな需要が伸びているとのことです。

 食品サンプルの値段がどのくらいのものか気になる方もおられるかと思います。レストランなどで使うものは原則特注による対応とのことで、値段もずいぶん幅があるようです。上の写真で示した鶏の唐揚げは、セール品としてかなり安く店頭に置かれていたもので、2千円ほどでした。下のハンバーガーは6千円程度です。

 「まいづる」の店頭に置いてある食品サンプルで、私が見つけた最も高価なものは、下の写真の上部に写っている「霜降り牛肉のブロック」で、おおよそ15万円でした。研究室に飾っておきたいものですが、さすがにちょっと手が出ませんでした。


 先日、かっぱ橋道具街を訪れた際に、飲食店向けのディスプレイ用品を扱うお店(峰岸製作所)に立ち寄り、迷った末にセールになっていた「ブタのコックさん」を購入しました(下写真右)。現在、研究室前の廊下に置いていますが、なかなか好評です


 かっぱ橋道具街はかなり広いので、初めて行かれる方は、あらかじめホームページでお目当ての店の場所を調べておくとよいかもしれません。また、かっぱ橋道具街の各店には、「さがしやすい かっぱ橋道具街 業種別便利マップ」が置いてあります。こちらもわかりやすいものですので、ご利用されるとよいと思います。


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