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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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動物資源科学科の農医連携教育

No.64


 先日(2010/3/5)、北里大学の相模原キャンパスで「2009年度 農医連携教育セミナー」が開催されました。私の所属する獣医学部動物資源科学科では、本学医学部の協力を得て、「農医連携教育プログラム」に取り組んでいます。このプログラムの一環として、今回のセミナーは「農医連携教育プログラム初年度の成果と展望」を副題として開催されました。

 北里大学は、「健康・環境・食の連携による生命科学と医療科学の総合大学」という将来像を掲げ、「農医連携」という概念を提唱しています。これまで、「農医連携シンポジウム」(下は第7回のポスター)の開催や「北里大学農医連携学術叢書」の刊行等により情報発信を続け、社会的な評価も徐々に高まりつつあります。なお、北里大学の農医連携教育・研究の取り組みの詳細については、北里大学ホームページをご覧ください。

 私たち動物資源科学科は、全国でも類例のない農医連携教育プログラムを立ち上げました。このプログラムは、「基礎プログラム」と「専門プログラム」から構成されています。専門プログラムでは、「医科実験動物」、「動物介在活動・療法」、「食の安全」、「生殖補助医療」の4分野で少人数教育が行われ、本年度は27名の3年生諸君が受講しました。

 今回の農医連携教育セミナーでは、福島県立医科大学の勝田新一郎先生に「農と医から『食』を考える」と題した基調講演をしていただきました。勝田先生は、農学部出身ですが、医学部で学位(医学博士)を取得され、その後、食品企業における勤務を経て、現在、福島県立医科大学の准教授をされています。「農」と「医」の教育研究現場に加えて、民間企業の様子もご存知であるため、農医連携や産学連携の重要性をよく理解されています。今回のセミナーにおける基調講演の演者として最適な先生でした。

 基調講演に続き、専門プログラムを受講した学生諸君による教育プログラム内容の報告がありました(主に昨年の夏休みに医学部で行った実習について)。さらに、学生諸君が自ら農医連携に関わるテーマを設定し、そのテーマに取り組んだ学習成果を発表しました。今回の5つのテーマは、「農と医の視点から動物実験について考える」、「なぜ動物介在療法が普及しないのか」、「豚肉って体にいい・・・のっ?」、「胚培養士という職業の現状、課題および将来展望」、「動物と人における生命の重さについて」という骨太なものでした。ホームグランド(十和田キャンパス)を離れての発表(相模原キャンパスの医学部校舎)でしたが、学生諸君はとても堂々とした様子で頼もしさすら感じさせました。


 今回のセミナーは、学生諸君のご父母や農医連携に関心をお持ちの学外の方などの参加もあり、大盛況でした。セミナー終了後には、動物資源科学科と医学部の教員、そして学生諸君の参加による懇親会が行われました。懇親会での学生諸君の晴れやかな表情から、農医連携教育の導入意義の大きさを確信しました。私自身、農医連携教育については、そのコンセプト(たとえば、医食同源)の重要性については理解していたものの、具体的な教育効果についてはピンと来ない部分もあったので、今回のセミナーの果たした役割は非常に大きなものがありました。


 私たち動物資源科学科の農医連携教育プログラムは、学生諸君に質の高い教育を提供し、社会に貢献する有為な人材を養成することが大きな目標です。また、今後、より厳しさが増すことが予想されている学生募集ですが、目的意識の高い優秀な学生諸君が私たちの学科に集ってくれるための魅力材料のひとつとなることにも、ほのかな期待をしています。


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その他のトピックス | 14:12 | 2010.03.10 Wednesday |