2010.12.27 Monday
「わんぶ煎餅」と「にゃんぶ煎餅」
No.83
2010年12月4日に、東北新幹線が全線開業しました。これに伴って、新たな終着駅として「新青森駅」が設置されました。新青森駅の1階には、「青森のお土産・食の一大テーマパーク」を掲げた「あおもり旬味館」がオープンしました。
あおもり旬味館の一角には、ペットのための青森土産を扱った「北彩ペット館」があります。このコーナー、なかなか魅力的なペット関連製品が置かれています。運営する青森県物産振興協会や県関係機関、そして製造業者の皆さんが知恵を出し合って、北彩ペット館が誕生しました。私も、微力ながらお手伝いをしたので、オープンを喜んでいる一人です。
先日、私も開業直後の新青森駅を訪れ、北彩ペット館を見てきましたが、立ち止まって製品を手にとっている方々が結構いる様子で、好調な滑り出しのように感じられました。人気が高そうな製品として、「わんぶ煎餅」と「にゃんぶ煎餅」があります。もちろん、これは青森県南部地域(八戸市周辺)の伝統的特産品である「南部煎餅(なんぶせんべい)」にちなんだユーモアあるネーミングの製品です。ペットを飼っている方へのお土産として喜ばれることでしょう。
ペット用品にかぎらず、お土産品の場合、ネーミングやパッケージは特に重要な要因と言えそうです。これらの製品を学生諸君に見せたところ、かなり良い反応でしたので、ヒット製品になる可能性もあると思っています。わんぶ煎餅には鱈骨粉が、にゃんぶ煎餅には鰹節が使われており、犬や猫好みの味となっています。使用している小麦粉も、青森県産100%とのことです。パッケージには「飼い主さんもご一緒にどうぞ!」とあり、飼い主も一緒に楽しむことができる製品です。わんぶ煎餅とにゃんぶ煎餅は、青森県八戸市にある「味の海翁堂」の製品で、通販でも入手できます。
北彩ペット館には、他にも魅力的なペットのお土産が多く置かれており、下の写真(パンフレットからの転載)のような製品があります。「りんごジュース」、「ペットと一緒に食べるほたて貝柱」、「ひめますワンコトバ」、「焼きりんごクッキー」といった青森県産の素材を利用したペット用おやつ製品だけでなく、飲用水、アクセサリー、猫砂といったものも集められています。
資金力の豊富な大手メーカーでさえ、以前紹介した「シトルリン」や「オルニチン」関連製品のように、複数の企業がプロジェクトや研究会を立ち上げプロモーションをする時代です。まして、規模の小さい製造業者が単独で新製品をヒットさせるのは至難なことです。ネット通販での成功例も耳にしますが、そうそう簡単にはいかないようです。今回紹介した北彩ペット館の取り組みは、「ペット」と「お土産」という組み合わせがユニークであり、新幹線駅という全国への情報発信も期待できる場所での展開です。粘り強く頑張れば、やがてクチコミで知られるようになり、マスコミが取り上げることもあるでしょう。そうなれば、ネットを利用した注文も増えていくはずです。私も成功を期待している地域プロジェクトのひとつです。
今回が、今年最後のトピックスとなりました。今年も1年間、このホームページからの情報発信を行うことができました。おかげさまで、このページを訪れる方の数も増え、お問い合わせ等もたくさんいただくようになりました。来年も今年同様のペースで情報発信を続けていきたいと考えていますので、引き続きよろしくお願いいたします。なお、北里大学食品機能安全学研究室のホームページからも、情報発信を行っていますので、そちらもぜひご覧ください。
皆様の新年のご多幸を、お祈りいたします。
ペットフードのトピックス | 11:57 | 2010.12.27 Monday |