2011.02.25 Friday
十和田名物「スタミナ源たれ」とコラボ食品
No.87
私が勤めている北里大学獣医学部のある十和田市の特産品として、「奥入瀬ガーリックポーク」を、以前このトピックスページで紹介しました。加工食品で十和田市が誇る特産品といえば、なんと言っても「スタミナ源たれ」(通称:源たれ)でしょう。
昔は青森県で売られている「幻のたれ」のような感じの製品でしたが、「ケンミンショウ」や「田舎で泊まろう」といった人気テレビ番組で取り上げられたこともあり、全国的に知られる存在になりました。現在では、ネットからでも手に入れることができます。なお、上の広告には「青森の家庭には必ずある」と書かれていますが、これは偽りではないと思います。
スタミナ源たれを製造・販売しているのは、青森県十和田市にある「上北農産加工農業協同組合」です。1971年に設立された「焼肉のたれ・醤油醸造元」です。現在は、2009年に完成した新工場(上写真)で製造が行われています。私たちの学科(獣医学部 動物資源科学科)の学生諸君も、工場見学をさせていただいています(下写真)。
近年では製品ラインナップも増えており、「スタミナ源たれ ふりかけ」などもあります。最近、「バラ焼きのたれ」という製品も加わっています。十和田の「バラ焼き」はかなり有名になったので、ここで説明する必要はないと思いますが、以前にこのトピックス欄でも紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。
ところで、近頃目立つのが、スタミナ源たれを利用したコラボ製品です。コンビニの店頭などでよく目にするものに、カルビーの「ポテトチップス スタミナ源たれ味」があります。「期間限定」ではありますが、大手食品メーカーとのタイアップなので、スタミナ源たれの一層の知名度アップにも貢献したことでしょう。ただ、パッケージには「上北農産加工農業協同組合 監修」と書かれていますが、小さな字で「実際のスタミナ源たれは使用しておりません」とあります。要するに、「スタミナ源たれ」風の味付けということのようです。
他にも、「スタミナ源たれ さきいか」や「スタミナ源たれ味 いか天」といった他社とのコラボ製品を見かけます。こちらの方は、実際にスタミナ源たれを使用して作られているようです。
「さくら肉たれ焼」も、パッケージに「青森発・スタミナ源たれ使用」とある製品です。東北新幹線の全線開業を記念して作られたとのことで、JR東日本が展開している駅のコンビニ「ニューデイズ」に置かれています。
この種のコラボ食品は、実はそれほど珍しいものではなく、かなり以前からありました。花王の「エコナ」は、すでに市場から姿を消してしまいましたが、エコナを使用したスナック菓子、マーガリン、ドレッシングなどを以前はよく目にしたものです。最近の例では、吉野家とヤマザキがコラボした「吉野家 牛肉まん」があります。このようなコラボのメリットは参画した双方の企業にあり、うまくいけば相乗効果も期待できます。ただ、エコナのように片方で問題が起きた場合には、共倒れの危惧もありますから、パートナー選びは慎重に行う必要がありそうです。
異なるブランド間のコラボレーションは、食品企業に限ったものではありません。たとえば、私たちは研究室で得られた成果を生かし、ペットフードメーカーと共に製品開発をしてきました。パッケージに「北里大学」の名前を記載することにより、消費者が大学ブランドを信頼して製品を選択することもあるでしょう。また、大学の知名度向上にもいくらかの貢献をして、受験生の志望大学選択の材料などにもなりうることを期待しています。これからは、従来の共同研究という限られたコラボレーションにとらわれずに、大学のPRにも積極的にコラボを活用すべきだと考えています。
食品のトピックス | 14:22 | 2011.02.25 Friday |