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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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炭酸飲料ブーム

No.100


 消費の低迷が続いており、食品業界も例外ではありません。そんな中で、炭酸飲料が堅調な成長をしています。炭酸飲料の新製品が多いことにお気づきの方もいるのではないでしょうか。従来からあった清涼飲料を炭酸化したものも数多く登場しています(下写真)。

 ちょっと意外なものまで炭酸飲料になっています。キリンビバレッジの「生茶」をベースにした炭酸飲料「キリン 生茶 ザ・スパークリング」(2011/7発売)には驚かされました。ただ、実際に飲んでみると、それほど違和感のあるものではなく、販売成績も好調とのことです。

 従来、炭酸飲料は嗜好品の性格が強かったものですが、機能性食品の範疇に入る炭酸飲料も登場しています。花王の「ヘルシア」は「脂肪を燃焼しやすくする」というコンセプトの特定保健用食品でしたが、炭酸飲料となった「ヘルシアスパークリング」がラインナップに加わりました。炭酸飲料の特定保健用食品は珍しい存在です。


 エーザイからは「チョコラBB」を炭酸化した「チョコラBBスパークリング」が出されています。こちらは「栄養機能食品」の表示が見られます。


 「体に良い炭酸飲料」という新しい飲料カテゴリーが形成されつつあるようにも感じられます。大塚製薬の「ソイッシュ」も、そんな製品のひとつといってよいかもしれません。ヘルシーなイメージの大豆飲料をさわやかな炭酸飲料に仕上げた「美味しくて体に良い」というコンセプトの製品のようです。製品ホームページには、かなり詳しい情報が載っています。

 機能性食品の範疇に入る炭酸飲料の登場が続いていますが、これらは炭酸自体の保健的な機能を生かしたものではありません。炭酸水の働きとして整腸作用が古くから知られており、便秘の改善などに効果があります。また、疲労回復や血行促進といった作用に関する研究報告もあります。今後は、炭酸そのものの保健的機能を前面に出した製品が現れることもあるかもしれません。ところで、炭酸水を利用したダイエット法や美容法がちょっとしたブームになっているようです。効果のほどは私にもわかりませんが、下の写真にあるような本も出ています。


 最近は日本でも多くの種類の炭酸水が売られるようになりました。ヨーロッパのように炭酸水をそのまま飲む人はまだ多くないようですが、アルコールを割るのに使うだけではなく、調理などへの利用も行われるようになっているとのことです。


 ヨーロッパなど海外のレストランで水を頼むと、以前は炭酸水が出されることが多くありました。 日本人はコーラなどの炭酸飲料は好きですが、炭酸水を飲む習慣はなかったので、口に入れて顔をしかめるというシーンがよくありました。 また、海外のコンビニやスーパーで、水を買おうと思って炭酸水を買ってしまったという話も多く耳にしました。 私自身も経験がありますが、非英語圏でボトルに英語表記がされていないと水と炭酸水の判別ができませんでした。 ペットボトルを握ってみて硬かったら (ガスで膨張しているため) 炭酸水という見分け方を教えてもらってからは間違わなくなりました。

 最近、私は「ソーダサイフォン」(下写真)なるものを購入しました。これがあれば、家庭で簡単に炭酸飲料ができるという代物です。実は私は炭酸飲料が好きなので、以前から欲しかったものでした。構造は簡単なもので、ステンレス製の蓋付き密閉容器の上部に炭酸ガスを入れるための弁があります。写真の下部にある銃弾のような金属容器が炭酸ガスのカートリッジです。ソーダサイフォンを使えば、どんな液体も炭酸飲料にしてしまうことができます。美味しいかどうかは別にして、牛乳でもコーヒーでも炭酸入りのものができます。念願の「炭酸入りヨーグルト」も作ってみましたが、これが売られていない理由がよくわかりました。


 炭酸飲料は、工業的に作りやすいと言われており、飲料メーカーにとっては新製品開発のハードルが低いようです。既存の製品を炭酸化するだけであれば、開発コストも抑えられます。また、多くの飲料と相性がよく、嗜好性を高めることが期待できます。炭酸の強弱のコントロールも難しくないので、「微炭酸」とか「強炭酸」といった特徴づけも容易にできます。ただ、安易な方向性であることも否めませんので、飲料メーカーには画期的な炭酸飲料の開発を期待しています。
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食品のトピックス | 14:33 | 2011.09.12 Monday |