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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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塩分補給食品

No.122


 昨年の夏、熱中症で病院に搬送された人は約4万人で、一昨年の3倍でした。節電2年目の今夏も、十分な対策が必要でしょう。熱中症対策として、水分補給とともに塩分補給も大切だと言われるようになり、多くの「塩分補給食品」が製品化されています。今夏は、スーパーやコンビニの店頭で、この種の食品をよく目にします。


 目立つのは、上にあげたペットボトル飲料や下にあげた飴の類です。「カルピスソーダ ソルティレモン」のような、これまでなかった塩入り炭酸飲料も登場しています。知恵を絞ったネーミングで、特徴を出している製品も多いようです。


 ゼリー系のものも結構あり、塩分補給食品の選択幅はかなり広がっています。


 下にあげたチョコレートと塩を組み合わせたものは、塩味が甘味を引き立てるのか、結構美味しいものがあります。食べるのがくせになると、塩分の過剰摂取ということもあるかもしれません。


 日本人の食事は基本的に塩分が多いので、積極的に塩分摂取が必要になるケースはあまり多くありません。高血圧などのリスクがある方は、とくに過剰摂取に注意された方がよいでしょう。「玉のような汗」を大量に流した場合は、汗とともに失われた塩分を補う必要もありますが、少量ずつの発汗の場合は、それほど心配する必要はありません。1日当たりの塩分摂取量の目安として、厚生労働省の示している目標値「9グラム未満」がありますが、WHOは「6グラム未満」を推奨値としています。このことからも、日本人の食塩摂取量の多さがうかがえます。


 テレビ番組で取り上げていたのをご覧になった方もおられるかと思いますが、牛乳も熱中症予防に役立つ食品です。水分の多い牛乳には適度な塩分も含まれていますし、食欲が低下しがちなこの時期の総合的な栄養補給にも優れた食品と言えるでしょう。
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食品のトピックス | 11:08 | 2012.08.10 Friday |