2012.08.27 Monday
水切りヨーグルトとギリシャヨーグルト
No.123
以前、「世界一高いヨーグルト」の中で、ヨーグルトを「コーヒーフィルターに載せて水分を除くと、非常に濃厚なクリーム状のヨーグルトが得られます。これは本当に絶品。」と紹介したことがありました。このようにしてヨーグルトを楽しむ方は以前から多かったらしく、最近の「水切りヨーグルト」ブームにつながっているようです。下の写真は、市販のプレーンヨーグルトをコーヒーフィルター上に4時間載せて、水分を除いたときに得られた水切りヨーグルトです。
なお、このときに同じくらいの重量の濾液が得られます。この少し黄色い液体(下写真)は、ホエイ(乳清)とよばれるもので、牛乳由来のタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養成分が豊富に含まれています。あまり美味しくないと言って捨ててしまっている方もいるようですが、ちょっともったいない感じがします。先日、ホエイに炭酸水と氷を入れて飲んでみたところ、かなり美味しかったので、工夫次第で楽しめると思います。
水切りヨーグルトは、牛乳タンパク質(カゼイン)と脂肪を主成分とした濃厚なものです。通常のプレーンヨーグルトよりも酸味が穏やかなので、ヨーグルトが苦手という方にも好適でしょう。料理の素材としても色々な使い方が提案されています。下にあげたようなレシピ本も出ていますので、興味のある方はご覧になってください。かなり多くのレシピが載っていますが、その中にはホエイを使ったものもあります。最近では、水切りヨーグルトを作る際に塩を入れる「水切り塩ヨーグルト」も登場しています。
この水切りヨーグルト、実は海外でも人気のある食べ方です。ここ数年、欧米市場では、「ギリシャヨーグルト」と呼ばれるヨーグルトが数多く見られますが、これは水切りヨーグルトと同じようにして作られるものです。下の写真にあるヨーグルトは米国のスーパーマーケットで見つけたものですが、いずれもパッケージに「Greek Yogurt」とあります。ダノンやヨープレイトといったメージャーブランドから中小メーカーに至るまで、ギリシャヨーグルトを製品化しています。
これらの市販製品は日本では入手しにくいものですが、一部の輸入食料品店では下の写真の「Total」ブランド(ギリシャ・FAGE社)のギリシャヨーグルトが扱われています。
昨年9月(2011/9)に、森永乳業が「濃密ギリシャヨーグルト パルテノ」(下写真)を発売しました。この製品は、ギリシャのデルタ(Delta)社とのライセンス契約により国内生産されているものです。写真にあるように、ハチミツの入った小さな容器が付属していて、食べるときに混ぜます。欧米のギリシャヨーグルトもハチミツ入りのものが多く、ギリシャヨーグルトにはハチミツ味がよく合います。
パルテノは関東地区限定で販売されている製品ですので、手に入れにくいのが残念です。東京近辺では、かなりゴージャスなテレビCMも流れています。また、森永乳業はパルテノを使ったメニューが楽しめる「パルテノカフェ」を東京・丸の内に期間限定でオープンするなど、製品の浸透にかなり努力しています。
この夏(2012/7〜8)、大手の乳製品メーカーが編集に関わったヨーグルトや乳製品のレシピ本が相次いで出版されました(下写真)。ヨーグルトを利用した多彩な料理が紹介されていますので、料理好きな方は参考にされるとよいでしょう。いずれの本にも、水切りヨーグルトを使ったレシピが載っています。以前、「ホットヨーグルトの魅力」の中にも書きましたが、メーカーによるヨーグルトの美味しい食べ方の提案は、ヨーグルト市場発展のためにも非常に重要なことだと思います。
食品のトピックス | 11:56 | 2012.08.27 Monday |