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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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ちょっと便利な卵調理用グッズ

No.137


 私は乳・肉・卵といった畜産食品を専門分野としているので、これらに関連するものに関心があります。今回は、卵の調理に使うちょっと便利なグッズを、私のささやかなコレクションの中から紹介します。いずれも比較的入手しやすいものですので、関心をお持ちになった方は試してみてください。


 まず最初は、「エッグタイマー」です。この米国製の製品、パッケージには「Color Changing Eggsact Eggtimer」と書かれています。卵とタイマーという組み合わせであれば、用途が予想できると思いますが、ゆで卵を作るときに使うものです。


 エッグタイマーを卵と一緒に水の入った鍋にいれます。卵が茹であがると共に、エッグタイマーの色が赤色から暗褐色に変わっていきます。周囲から変わっていく色具合で、卵の茹で具合(Soft、Medium、Hard)を判断します。なかなか面白い製品ですが、欠点は色の変わり具合を頻繁にチェックしなければならないところかもしれません。ただのキッチンタイマーで十分という声も聞こえてきそうです。下の写真は、少し色が変化して「Soft」の状態になったエッグタイマーです。アナログ表示ですが、割合と判定はしやすいです。


 次は、温泉たまご器「たま5ちゃん」です。温泉卵は、鶏卵タンパク質が熱凝固性をうまく利用したものです。宮城大学の石川伸一先生によると、67℃で30分間加熱すると、白身が「トロっ」と黄身が「モチっ」とした食感の美味しい温泉卵ができるそうです。ただ、家庭では正確な温度調節が難しいでしょう。「たま5ちゃん」は、容器の中に卵をセットして、熱湯を注ぎフタをして7〜19分(パッケージ記載の調理時間表による)待つだけです。電気を使わないのが魅力的です。毎日温泉卵を食べたいという方は、手に入れてもいいでしょう。「アイスペール」としても使用できるそうです。


 下の写真は、「クローバースプーン」です。パッケージに、「テレビで評判!」と書いてあるので、御存知の方が多いのかもしれません。子供のころ、学校給食で使った先割れスプーンにちょっと似た感じもしますが、生卵の「カラザ」を取り除く道具です。


 ひも状のカラザは、卵黄を卵中で一定の位置に保っています。カラザは見た目がよくないので、気持ち悪いと感じる方も多いようです。家庭科の調理実習で、カラザは取り除くものと習ったという方もいました。栄養学的には、カラザを食べても問題はありません。カラザには、「シアル酸」という非常に貴重な成分も含まれています。詳しくは、以前載せた「インフルエンザとツバメの巣」をご覧ください。どうしても取り除きたいという方には、「クローバースプーン」は便利なものです。下の図は、取り扱い説明書に使われていたものですが、使い方はとても簡単です。


 次の「まぜ卵(まぜらん)」も、シンプルな製品です。先端の銀色部分がかなり鋭利なブレードになっています。パッケージには、「生たまごをなめらかにまぜる!!」、「白身が切れる!」、「いや〜な白身のどろり感がなくなるよ!!」、「カラザもとれるよ!!」などと書かれています。生卵を均一に混ぜるは結構難しいので、生卵ご飯が好きな方にはよいかもしれません。


 ところで、ゆで卵の殻が剥き難いことがあります。テレビなどでも、対処方法がよく紹介されています。ここで紹介するのは、「卵の穴あけ器」です。茹でる前の卵に小さな穴をあけると、ゆで卵の殻がきれいにむけます。写真の黄色い装置に卵を押しつけると、針が出てくるという仕組みです。右側の製品は、「殻むき」との2点セットになっている「トントンたまごのカラ割りセット」です。いつもゆで卵をきれいにむきたいという方は、お試しください。


 下の写真の「エッグハンマータッチ」は、パッケージから取り出したときに使用方法がさっぱりわからなかったものです。半熟卵の上部の殻を取り除くための道具です。卵にかぶせ、バネ(右の部分)をきかせてハンマー(左の部分)でたたくと、殻に円形の割れ目が入るため、殻をはずすことができます。


 言葉で説明してもピンと来ないでしょうから、パッケージの写真を転載しておきます。ハンマー部分を思い切って上に持ち上げないと、殻にきれいにヒビが入りません。最初の数回はちょっとドキドキしますが、慣れるときれいに切れ目が入ります。個人的にはあまり半熟卵を食べることはないので必要性は低いですが、面白い道具だと思いました。


 最後は鶏卵ではなく、鶉(ウズラ)卵に使う道具です。下の写真にあるハサミの形をした「うずら卵割り器 プッチ」(左)と「うずらカッター」です。どちらも構造はまったく同じで、金属製かプラスチック製かの違いです。ずいぶん前に鶉卵の研究を行ったことがありましたが、あのときにこれがあったらと思いました。


 卵好きな方のために、比較的最近出された卵料理を特集した雑誌をあげておきます。『danchu2012年4月号別冊 料理男子vol.4 たまごLife』『食べようび2013年4月号』です。どちらも卵にまつわる話や卵料理のレシピがたっぷりです。


この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
178:ヨーク・アウト(2014/12/10)
169:「15.0%」(2014/07/25)
157:マヨネーズの話(2014/01/27)
156:オムレツの話(2014/01/10)
125:卵の色いろいろ(2012/09/25)
109:玉子酒と粉末酒(2012/01/25)
106:生卵と日本人(2011/12/12)
85:プリンの謎(2011/01/25)
44:卵かけご飯ブーム(2009/05/11)
19:たまご博物館(2008/04/25)
食品のトピックス | 15:04 | 2013.03.25 Monday |