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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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『馬肉新書』

No.143


 2年ほど前に、「馬肉の魅力」という記事を載せました。その後、テレビ番組などからの馬肉に関する問い合わせが増えました。なかなか難しい質問が多く、少し調べてからお答えしますと申し上げるのが常です。しかし、馬肉に関して得られる情報は限られており、馬肉の専門書がないばかりか、食肉関係の書籍にも馬肉のことはほとんど触れられていません。


 少し古い書籍に、『馬を食う』(植竹伸太郎著, 銀河書房, 1984/9)がありますが、学術的な記述はあまり多くありません。なお、この書籍の著者の植竹氏は、朝日新聞の記者をされていた方です。



 昨年7月(2012/7)に、一般社団法人「日本馬肉協会」が設立されました。この協会の目的は、「日本の生肉食文化を守るとともに、馬肉食の啓蒙と普及を目指す」ことです。セミナーの開催や馬肉検定の実施など、多くの事業が計画されているようです。最初の大きな事業として、『馬肉新書 知られざる馬肉のすべて』(社団法人日本馬肉協会監修, 旭屋出版, ¥2310, 2013/4)の出版が、先日行われました。



 『馬肉新書』は全体にわたって美しい写真が多く使われており、眺めるだけでも楽しめる本となっています。この本の目次を、以下にあげておきます。


 個人的には、「Chapter 馬肉の必須知識」の馬肉に関する学術的な記述が役立ちました。Chapter 兇蓮以下のような構成になっています。


 ところで、馬肉新書にもデータが載っていますが、馬肉の生産量(枝肉重量)は圧倒的に熊本県で多く、2位の福島県の2倍以上となっています(下表)。青森県も健闘しており、全国第3位の生産量を誇っています。


 青森県内のスーパーの精肉コーナーでは、馬肉が置かれていることが多く、馬肉料理を扱っている店も割合よく目にします。下の写真は十和田市内の馬肉料理店の看板です。


 十和田市は古くから馬の生産地として栄え、かつては多くの名馬を輩出した「馬の街」でした。その歴史を背景として、十和田市馬事公苑が設置されています。馬事公苑内にある「称徳館」は全国でも珍しい馬の文化資料館です(下写真)。残念ながら馬肉に関する展示はほとんどありませんが、馬に関する多くの貴重な資料を目にすることができます。


今回紹介した社団法人日本馬肉協会のホームページからも、馬肉に関する情報が発信されています。今後の掲載情報の充実が期待されます。

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食品のトピックス | 11:05 | 2013.06.25 Tuesday |