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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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花粉の季節が到来

No.159


 今年も、花粉症の方には悩ましい季節がやってきました。私の住む青森県は、関東地方に比べると花粉の飛散時期が少し遅いようですが、近所の杉の木を見ると準備はかなり整っています(下写真)。例年に比べると、蕾の数が少なく見えますが、昨年の飛散量が多かったので、今年は新たな発症者が多いとの予想もあります。


 ちょうど5年前に、「花粉症と乳酸菌」という記事を載せましたが、今でも花粉の季節にはかなりのアクセスがあります。この時期になると、ヨーグルトなど乳酸菌を利用した製品を摂取されている方も多いでしょう。店頭にも、下の写真のような製品が並んでいます。


 以前にも述べましたが、花粉症などアレルギーに対する効能効果を食品パッケージに表記することはできません。「ダブルの乳酸菌」という製品も、消費者に何とか製品コンセプトを伝えるために、苦労している様子がうかがえます。「アレぎみな春の対策」というコピーは、花粉症に悩む方には意味が通じそうです。乳酸菌以外では、甜茶(てんちゃ)がよいという話をよく耳にします。甜茶ポリフェノールの作用など、ある程度の科学的根拠も得られているようです。


 また、一昨日のテレビ番組でも紹介されていましたが、最近注目されている花粉症予防食品として「レンコン(蓮根)」があります。レンコンに含まれているポリフェノールが有効成分とのことで、「れんこんヨーグルト」といった製品も登場しています。


 先日、書店で下にあげた『週刊ダイヤモンド』(2014/2/15号)の表紙が目が留まりました。経済誌でも、アレルギーや花粉症を大きな特集とするようになったようです。40ページ近い記事で、かなり読み応えがある内容でした。


 花粉症の治療法についても、かなりのページが割かれています。これまでは、抗ヒスタミン薬などにより、一時的に症状を抑える「対症療法」が主体でしたが、根本的な花粉症治療が可能な「舌下免疫療法」が注目されています。テレビなどでもよく紹介されていますが、今年(2014/1)、この治療に用いる「スギ花粉舌下液」が厚生労働省から承認され、間もなく健康保健が適用される治療法にもなります。「舌下免疫療法」については、この分野の第一人者である日本医科大学の大久保公裕教授による書籍(下写真)に詳しく解説されています。


 この治療法では、「スギ花粉舌下液」を毎日2年間以上服用し続けなければなりませんが、従来の「皮下免疫療法」のように注射のために通院する必要がないのは大きなメリットでしょう。「舌下免疫療法」は花粉症患者の8割近くに効果があるという優れた治療法のようです。


 花粉症の対策法としては、様々なものが言われていますが、科学的根拠の乏しいものも少なくないので、注意が必要でしょう。下の本(ムック)は、大久保公裕教授が監修したもので、花粉症対策について、写真や図をふんだんに使ってわかりやすく解説されています。


 ヨーグルトや甜茶といった食品(サプリメント)の摂取によって、劇的に花粉症の症状が軽減したという方が私の周りにもいますが、まったく効果がなくがっかりしたという方も少なくありません。舌下免疫療法のような優れた治療法が登場しても、食品による穏やかな対応法の存在価値は残ると思います。ただ、食品における表示制限により消費者に伝えにくい状況は大きな課題でしょう。
この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
160:食べて治す食物アレルギー(2014/03/10)
128:食物アレルギー対応食品(2012/11/12)
111:インフルエンザ予防と食品(2012/02/28)
39:花粉症と乳酸菌(2009/02/25)
その他のトピックス | 11:28 | 2014.02.25 Tuesday |