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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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インドネシアの食品市場

No.162


 前回の「インドネシアの発酵食品」に続いて、今回はインドネシアの食品市場(いちば)の様子をお伝えします。前回も触れましたが、首都ジャカルタのあるジャワ島とバリ島は、文化も食生活も大きく異なります。


 ジャカルタに近いボゴールの食品市場で目に付くのは果実と鶏肉です。住民の90%以上がイスラム教徒のジャワ島では鶏肉が重要な食肉となっているようです。


 市中の随所にある露店でも、果実や野菜が並べられています。野菜では、キャッサバなどのイモ類やニンジンが目立ちます。果実の種類は多く、初めて見るものも結構ありましたが、バナナ、パパイヤ、マンゴスチン、ドリアンなどが主だったところです。


 正直なところ、ボゴールの市場にはそれほど感動はありませんでした。インドネシアで市場を楽しむには、バリ島を訪れる必要があります。バリ島というと、日本ではビーチリゾートというイメージですが、「市場の島」でもあります。バリ州(バリ島)の州都であるデンパサールは、「北(デン)の市場(パサール)」という意味があるくらいです。デンパサールの中心部には、巨大な屋内市場があります。


 バリ島はヒンドゥー教徒の多いところですが、近年はイスラム教徒の移入や観光地としての繁栄から、多様な食材が入手できます。食肉では、やはり鳥肉を多く目にしますが、鶏肉だけでなく、アヒル肉(下写真右)も一般的なようです。


 ヒンドゥー教徒は牛肉を食べないと言われていますが、バリ・ヒンドゥー教徒は牛肉もよく食べるそうです。市場では、牛肉(下写真左)や豚肉(下写真右)を扱う店舗が多数あります。


 食肉加工製品は、それほど種類が多くないようでしたが、腸詰や乾燥肉(下写真左)を目にしました。また、豚皮を原料にした加工食品(下写真右)が見られました。


 鶏卵やアヒル卵を扱う店(下写真左)もいくつかあり、塩漬けした茹で卵(下写真右)が一般的な商品のようでした。


 海に囲まれた島なので、もちろん魚介類も豊富です。鮮魚だけではなく、干し魚の類(下写真右)も多く目にしました。


 市場は屋内だけでなく屋外にも続いていて、たくさんの店舗や露店があります。鶏売り場では、真剣に個体を選ぶ客の姿が印象的でした。


 雑踏に広がる露天の様子はいかにもアジア的で、屋内市場とはまったく違った光景です。下の写真(右)で路上に広げられているのは、干した小魚でした。


 バリ・ヒンドゥー教の宗教的行事が頻繁に行われるため、お供え物も市場での主要な商品となっています。お供え物を扱う店舗(下写真左)があり、商品の種類も非常に多いようです。下の写真(右)のお供え物のセットには、鶏卵が入っていました。


 調理した食品を売る屋台も多く、私が気になったのは鶏を開いて串刺しにして焼いたもの(下写真右)でした。食べることができなかったのが残念です。


 デンパサールの市場は、「地球の歩き方」のようなガイドブックにも載っていますが、日本人観光客の姿はまったく見かけませんでした。日本語が堪能なタクシーの運転手さんの話でも、日本人観光客を連れてくることはまずないとのことでした。私は、バリ島でお勧めのスポットだと思っています。

 次回は、最近話題になることが多いイスラム圏の「ハラル」食品を取り上げます。

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食品のトピックス | 16:41 | 2014.04.10 Thursday |