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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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希少糖と食品

No.164


 最近、「希少糖」が、メディアでよく取り上げられています。希少糖とは、いったいどんな糖なのでしょうか。国際希少糖学会は、「自然界にその存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義しています。しかし、ただ珍しいだけではなく、健康にも役立つということで、下にあげた「希少糖マーク」の付いた食品を、目にするようになってきました。


 数多い希少糖の中で、「肥満予防効果」があると言われる「D-プシコース(D-Psicose)」と、「老化予防効果」があるとされる「D-アロース(D-Allose)」が、とくに注目されています。これらの希少糖の構造を、下に示しました。


 D-プシコースは、①デンプンのブドウ糖への分解を阻害、②腸管でのブドウ糖吸収を抑制、③その結果として脂肪燃焼を促進、④脂肪酸合成酵素の生成阻害、といった仕組みによって肥満予防効果をもたらすようです。一方のD-アロースは抗酸化作用が強いため、老化をもたらす活性酸素を消失させたり、生成抑制したりします。このような希少糖を利用した食品として、下の写真にあげたようなものがあります(いずれも、青森県内のスーパーで購入)。


 「希少糖」は、香川大学農学部の何森健教授が考案した名称です。香川大学では希少糖の研究が40年ほど前から行なわれ、「かがわ希少糖プロジェクト」は、研究成果を世界に向けて発信しています。希少糖に関する書籍として、何森教授による『希少糖秘話』があります。今日にいたるまでの希少糖研究の歩みが読み物風に書かれている好著ですが、入手しにくいのが残念です。『希少糖でさせる!健康になる!』(Gakken HIT MOOK, ¥800, 2014/3)は、希少糖の解説に加えて市販製品やレシピも載っている親しみやすい内容です。


 株式会社希少糖生産技術研究所は、香川県下の企業との共同出資で合同会社希少糖食品を設立し、平成22年に「レアスウィート(テーブルシュガー)」の特定保健用食品(トクホ)申請をしました。この製品は、血糖値が気になる方に適したトクホとして、近いうちに表示許可が得られる見通しだそうです。


 希少糖を利用した食品として、「石焼焙煎希少糖珈琲」、「希少糖万能だし醤油」、「希少糖入り青汁どうぞ。」など魅力的な製品が、続々と誕生しています。大手コンビニチェーンのローソンも、希少糖に注目した商品展開をしており、ローソンのホームページによると、「マチの健康ステーションとして、今後もパンやデザート、飲料などで希少糖を使用した商品を開発・発売してまいります。」とのことです。
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126:セラミドと美肌食品(2012/10/10)
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食品のトピックス | 12:04 | 2014.05.12 Monday |