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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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「ワンプッシュ」と「ニャンプッシュ」

No.168


 数年前に、「わんぶ煎餅」と「にゃんぶ煎餅」というペットオーナー向けのお土産製品を紹介したことがありました。今回紹介するちょっと似た名前の「ワンプッシュ」と「ニャンプッシュ」は、ペットフードに振り掛ける「スプレー醤油」です。福岡市の福萬醤油という会社の製品ですが、最近、新聞やテレビで取り上げられたこともあり、品薄気味のようです。


 醤油というと、塩分が気になりますが、 ワンプッシュとニャンプッシュは、いずれも 「 塩分FREE 」 と書かれているので、心配する必要はなさそうです。 パッケージだけからでは詳しい組成などはわかりませんが、アミノ酸を多く含むことが嗜好性の向上や栄養補給に寄与しているようです。 なお、少し舐めてみたところ、確かに醤油の味がしました。


 福萬醤油は1821年(文政十二年)創業の老舗ですが、積極的な製品開発を行っています。もちろん、われわれ人間が食品に使うスプレー醤油も製品化しています(下写真)。スプレー醤油を使う大きなメリットとして、使用量を大幅に少なくできることがあげられます。福萬醤油のパンフレットによると、スプレー醤油では通常使用量の30分の1以下に抑えられるとのことで、簡単に減塩ができるそうです。また、醤油は空気に触れることにより、香りがよくなるという特性があるため、風味の面でもスプレー醤油を利用するメリットがあるようです。


 福萬醤油は、スプレー醤油以外でも、下の写真にあげた「パンにかけるスイーツ醤油」、「バルサミコ酢の吟醸しょうゆ」、「ヨーグルトにかけるスイーツ醤油」といった挑戦的な製品を開発しています。


 今回紹介した福萬醤油以外でも、佐々長醸造(岩手県花巻市)正田醤油(群馬県館林市)といった老舗企業が、ユニークな醤油製品を誕生させています。和食の基本調味料である醤油ですが、減塩指向の高まりなどを受けて消費量が減少傾向にあります。既成概念を打ち破った新製品の開発が、醤油市場に新たなニーズをもたらすかもしれません。

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ペットフードのトピックス | 13:45 | 2014.07.10 Thursday |