<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

トピックス

北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

<< 「ワンプッシュ」と「ニャンプッシュ」 | main | 鹿児島黒豚と桜島どり >>

「15.0%」

No.169


 下の写真は、最近ちょっと評判になっている製品のパッケージです。「15.0%」というのが製品名です。パッケージをよく見ると、とても小さな字で「My Dear Ice Cream Lovers」と書かれています。


 箱を開けると、下の写真のように紙カップに金属製のバーが突き刺さっています。これをご覧になれば、スプーンであることがわかる方も多いでしょう。


 取り出したスプーンは、下に示したようなアルミ製のものです。このアイスクリーム専用のスプーン、結構いいお値段で、1本3千円ほどします。


 アルミニウムは、「熱伝導率」が高い材料として知られています。熱伝導率の高い材料で作ったスプーンは、空気や手の熱が伝わりやすいため、アイスクリームを溶かしながら掘り進むことができます。下の写真で、左側のプラスチックのスプーン周囲は変化していませんが、アルミのスプーンの周りはアイスクリームが溶けているのがわかります。


 下の表に、いくつかの材料の熱伝導率をまとめてみました。銀、銅、金といった比較的高価な金属の熱伝導率が高いですが、アルミニウムもかなり頑張っています。調べたところ、銅製のアイスクリーム用スプーンも製品化されていました。プラスチック製や木製のスプーンがよくアイスクリームに利用されていますが、熱伝導率の面から言えば、不向きなものと言えそうです。なお、下の表には載っていませんが、ダイヤモンドは熱伝導率1000〜2000ですので、素晴らしいアイスクリーム用スプーンができるかもしれません。


 かなり以前から、アルミ製の冷凍食品解凍プレートというものがありました(下写真)。通販番組で、カチカチの冷凍まぐろが簡単に解凍できるというのをご覧になった方もおられるでしょう。パッケージの記載によると、通常解凍に2時間を要するステーキ肉が、たった20分で解凍できるようです。ダイヤモンドなら、もっと優れた解凍プレートができそうです。その種の実験を紹介しているサイトもあるので、興味のある方は検索してみてください。


 今回紹介したアルミ製のスプーン、面白い製品とは思いますが、多くの方にとっては必要性がそれほど高いものではないかもしれません。ステンレスのスプーンと比べると、確かに違いはありますが、劇的というほどではありません。まだ試していませんが、新幹線の車内販売で扱っているあのカチカチのアイスクリームには、有効かもしれません。


 なお、冒頭で紹介した製品名「15.0%」の意味が気になる方もいるかもしれません。日本の食品衛生法では、アイスクリームが「乳固形分15.0%以上」と定義されていることに由来しています。ご参考までに、アイスクリーム類の分類をあげておきました(下表)。


 今回紹介した「15.0%」というスプーンは、富山県高岡市で鋳物製品を製造する高田製作所の関連会社として設立されたデザインメーカー「タカタレムノス」という会社の製品です。「15.0%」の製品ラインナップも、この会社のホームページでご覧になれます。
この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
185:インコアイス(2015/03/25)
149:トルコアイスとサーレップ(2013/09/25)
137:ちょっと便利な卵調理用グッズ(2013/03/25)
117:不凍タンパク質と食品(2012/05/25)
76:ジャージー牛乳とジェラート(2010/09/10)
食品のトピックス | 09:19 | 2014.07.25 Friday |