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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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鹿児島黒豚と桜島どり

No.170


 コンビニ大手のローソンから、先日(2014/7/22)、「鹿児島黒豚と桜島どりのおやっとさぁ弁当」が発売されました(下写真)。全国発売なので、店頭で目にされた方も多いでしょう。昨年、「アグー豚 vs 石垣牛の対決弁当」という空弁(そらべん)を紹介しましたが、ちょっと似た感じもします。


 「鹿児島黒豚」は、数ある「銘柄豚」の中でも最も知名度が高いものです。「桜島どり」とタッグを組まなくても十分に魅力的な製品ができそうですが、昨今の厳しい競争環境では、単独では苦戦を強いられるのかもしれません。このお弁当、中はこんな感じで、550円(税込み)はお買い得だと思います。「お品書き」まで付く凝りようです。


 鹿児島県は、「鹿児島黒豚」および「かごしま黒豚」を商標として登録しています。「鹿児島黒豚」は、①「日本種豚登録協会の定める品種基準に基づくバークシャー種のみ」、②「さつまいもを10〜20%添加したエサを60日間以上与える」、③「鹿児島県内で生産し、育てたもの」といった独自の基準をクリアした豚(豚肉)です。鹿児島黒豚については、下の書籍に歴史的経緯を含めて詳しく記述されています。


 冒頭で紹介したローソンのお弁当のもう一つの主役である「桜島どり」は、鹿児島県産の銘柄鶏です。天然地下水とオリジナル飼料で飼育され、独自の方法で健康・品質が管理されています。高タンパクで脂身が少なく、赤みが強いのが大きな特徴です。皮が薄いことやしっとりとした歯ざわりとジューシー感も好まれています。これまでもローソンからは、「鹿児島県産桜島どりの寿司弁当」、「桜島どりの溶岩焼あがったもんせ弁当」、「鹿児島のうまい!桜島どり溶岩焼(おにぎり)」、「鹿児島のうまい!桜島どり ずんばい焼(おにぎり)」といった商品が出されきました。いずれも好評だったようで、今回の鹿児島黒豚とのコンビは最強のものと言えるのかもしれません。


 先日、下の写真の「神戸ワインビーフカレー」を見かけました。パッケージ裏面の説明によると、「神戸ワインビーフ」は、「神戸ワインと黒毛和牛から生まれた、神戸発の新ブランド牛肉」だそうです。神戸ワインの製造過程で出るワイン搾りかすを牛に与えると、ポリフェノールなどの働きで食欲が旺盛になるなどの効果があり、美味しい牛肉が生産できるようです。有名な「神戸ビーフ」とは直接の関係はないようですが、誤解される方もいるかもしれません。付加価値を求めて、さまざまな組合せを検討する努力がされているようです。



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食品のトピックス | 13:23 | 2014.08.09 Saturday |