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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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インコアイス

No.185


 ここ数年、「インコ」ブームだそうです。テレビや雑誌などでも、インコ関連の話がよく取り上げられています。とくに話題になっているのは、インコの発する独特の匂いです。「インコ臭」と呼ばれていますが、ナッツなどを連想させる好ましい匂いのようです。私は中学生のときに、セキセイインコを飼ったことがありましたが、そんな匂いを感じた記憶はまったくありません。まずは、テレビで紹介されていた「インコアイス」(下写真)を食べてみることにしました。


 インコアイスには、「セキセイインコ」、「ぶんちょ仕立てのフィンチ」、「オカメインコ」、「モモイロインコ」、「ヨウム」、「コザクラインコ」の6種類があります。ナッツやフルーツ風味のアイスクリームというのが、食べてみた正直な感想です。もちろん、本物のインコの匂いを使用しているわけではなく、ナッツ、穀類、種子、果実などを添加して、それらしい「インコ風味」に仕上げています。「モモイロインコアイス」(下写真)の原材料名を見ると、牛乳、乳製品、砂糖、ローズジャム、ローストアーモンド、かぼちゃ、ローズエキス、乳化剤、安定剤が並んでいます。


 インコアイスには、「イン粉(いんこ)」なるおまけが付いています。 こちらは、カシューナッツ、アーモンド、ひまわり、パンプキンシードを粉砕したものです。 ラベルには、「かけると更にインコクサい!」とありますが、少し穀物油っぽい匂いがする粉でした。 以前見たテレビ番組の出演者は、インコ臭を、ケーキ、バラの花、干した布団といった様々な言葉で表現していましたが、「インコアイス」や「イン粉」はちょっと違う感じがします。


 ところで、なぜ、インコはインコ臭を発するのでしょうか。インコが日常食べている餌や、尾羽の付け根から分泌される油脂の匂いというのが有力な説のようです。学術的な研究がされているのかを調べたところ、「セキセイインコにおいて尾腺分泌アルカノールは嗅覚性シグナルに寄与する」(Chemical Senses, 35: 375, 2010)という難しい論文が見つかりました。オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノールといった揮発性物質が、セキセイインコの尾腺分泌物として見出され、メス誘因匂い物質として働いているようです。ちなみに、「オクタデカノール」は、下に示したようなシンプルな構造をした物質です。これがインコ臭にかかわっているのかは不明です。




 昨年(2014/9)、私はインドを訪れましたが、色鮮やかな野鳥がニューデリーの空を数多く舞っていました。 下の写真は、ホテルの窓近くに来た2羽を撮ったものです。 くちばしの形から、インコかオウムだとは思っていました。 先日、東京のペットショップで、この鳥に再会しました。 「オオホンセイインコ」という名前で、別名が「インドオウム」だそうです。 10万円近い値段が付いていたのに驚きました。 インドでは、いくらでも飛んでいます。 インコ臭がするのかと思って嗅いでみましたが、よくわかりませんでした。


 現在のインコブームは、「第2次」とのことです。「第1次」インコブームは、昭和40年代にあったそうで、私がセキセイインコを飼ったのは、第1次ブームの終盤だったのかもしれません。今回のブームはいつまで続くのでしょうか。インコヨーグルトやインコプリンも、登場するかもしれません。すでに、インコ臭のする香水などが販売されているので、興味のある方は調べてみてください。
この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
169:「15.0%」(2014/07/25)
149:トルコアイスとサーレップ(2013/09/25)
76:ジャージー牛乳とジェラート(2010/09/10)
食品のトピックス | 11:08 | 2015.03.25 Wednesday |