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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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コンビーフ缶

No.199


 コンビーフ(corned beef)は、牛肉を塩漬けにした食品です。英語の「コーン(corn)」には、「粗塩」という意味があります。1870年代の米国で、ほぐした牛肉を用いた台形型のコンビーフ缶が誕生しました。日本では野崎産業(現・川商フーズ)が1948年に国産コンビーフを瓶詰めで開発し、1950年にコンビーフ缶を発売しました。下の写真は、おなじみの「ノザキ」のコンビーフです。


 コンビーフは、今日の日本ではそれほど存在感のある食品ではありませんが、『図説 世界史を変えた50の食物』(下写真)という本にコンビーフが載っています。保存食や軍用食としての貢献はかなり大きく、二度の世界大戦でもコンビーフ缶は活躍し、世界史に影響を及ぼしたようです。


 米国を中心に発展した食品ということもあるのでしょうが、海外のスーパーではコンビーフ缶をよく目にします。ただ、アジアの国々では冷蔵輸送・保存施設の普及率が低く、缶詰の重要性がいまだに高いことも要因になっていそうです。下の写真の製品は、ブラジル(左)、インドネシア(中央)、フィリピン(右)のものです。いずれの製品も、ハラル認証マーク(こちらの記事を参照)が付いています。


 日本では他の食品と同様、最近、脂肪の少ないタイプが製品ラインナップに加わっています。下の写真の製品は、いずれも脂肪分を50%カットしています。


 コンビーフの缶詰は、伝統的に独特な台形です。これは、製造の際に空気がうまく抜けて、酸化防止に適しているためでした。開発当時、缶を開ける仕組みとともに特許が取得されました。現在では、台形缶にする必要性もそれほど高くないため、様々な容器のものが登場しています。プラスチック製のもの(下写真左)やイージーオープン缶(右)などがあります。


 原料や製法にこだわったプレミアム製品も結構あります。下の写真は、山形県産牛(左)や愛媛産牛(中央)の肉を原料としたものと、「熟成」製法によるもの(右)です。パッケージのデザインにも、こだわりが感じられます。


 「ニューコンミート」と表示された比較的廉価な製品もよく目にします。下の写真の製品はいずれも、牛肉(ビーフ)とともに馬肉を原料としています。日本農林規格(JAS)では、コンビーフの名称は牛肉100%のものに使用できると定めています。


 食品メーカー発の「レシピ本」(こちらを参照)が多く出されていますが、「ノザキのコンビーフレシピ」もあります(下写真)。この本には、社員考案の69レシピとシェフ直伝の4レシピが載っています。コンビーフに合う調味料は、醤油、マヨネーズ、ブラックペッパーだそうです。


 1875年4月6日に米国で、台形状のコンビーフ缶の特許が認められました。この記念すべき日が、日本でも「コンビーフの日」となっています。ノザキのホームページには、「コンビーフのいろは」など様々なコンビーフ情報があります。

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食品のトピックス | 11:01 | 2015.10.27 Tuesday |