2016.02.25 Thursday
味噌汁にも乳酸菌
No.207
下の写真は、スーパーの店頭に盛大に配架されている「シールド乳酸菌M-1 みそ汁」という製品です。先日(2016/2/1)、永谷園から発売されたものです。
パッケージには、「シールド乳酸菌M-1 100億個」と書かれています。 これまでに乳酸菌を入れた食品は数多く登場していますが、味噌汁はちょっと意外な感じがしました。 ただ、味噌の製造に乳酸菌は関与しているので、まったく無縁の存在ではありません。
パッケージ裏面の「原材料名」を見ると、「ヨーグルトパウダー(殺菌)」と「殺菌乳酸菌」があります。これらが、この製品の乳酸菌供給源なのでしょう。
製品名にも入っている「シールド乳酸菌」とは、どんな乳酸菌なのでしょうか。パッケージ裏面の説明には、「人が本来持っている健康力をサポートする乳酸菌」と書かれています。薬事法との関連で、これ以上の具体的な表現は難しいのだと思います。
上の説明の中に、小さな字で「森永乳業の登録商標」とあります。森永乳業のホームページには、「シールド乳酸菌M-1のひみつ」が載っています。このサイトの説明によると、「盾(シールド)のように外部から敵を防御することをイメージ」して名付けたとのことです。マウスを用いた実験では、シールド乳酸菌の摂取により、インフルエンザ感染による症状緩和が示されています。
森永乳業が見つけたヒト由来のLactobacillus paracaseiという免疫力を高める乳酸菌を、加熱殺菌処理した製品が「シールド乳酸菌M-1」です。「加熱殺菌」された乳酸菌なので、摂取しても腸内で増殖することはありません。しかし、それでも効果を期待できるのは、以前、「死んでも働く乳酸菌」で解説したとおりです。すでに「シールド乳酸菌M-1」は、いくつかの製品に利用されています。たとえば、おもちゃメーカーのバンダイとのコラボレーション商品として、「ミラクルロマンス ムーンクリスタル グミ」が発売されています(2015/1/27)。
死菌でも効果のある乳酸菌は、加工や加熱処理をしても利用できるので、その用途は広いと考えられます。加熱処理工程を経ないで作ることが難しいペットフードにも、好適な機能性素材と言えそうです。
食品のトピックス | 11:04 | 2016.02.25 Thursday |