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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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お肉やわらかの素

No.212


 「お肉やわらかの素」という製品が、今年初め(2016/2)に味の素株式会社から発売されました。テレビCMでご覧になった方も多いかと思います。


 同様の製品は業務用などで以前からあったので、まったく新しいコンセプトではありません。また、「から揚げ粉」では下の写真のような製品がありました。ただ、「お肉やわらかの素」は、パッケージに書かれているように、鶏・豚・牛肉料理に幅広く利用する製品のようです。


 教科書的な話になりますが、お肉の「おいしさ」を決める主な因子として、下の表にあげたようなものがあります。今回取り上げた「お肉やわらかの素」を使うことにより向上が期待できるのは、「テクスチャー」と「味」と言ってよいでしょう。


 テクスチャーとは、歯ざわりと口ざわりを意味しています。味の素社のプレスリリースによると、「お肉やわらかの素」では肉をやわらかくする「酵素+でんぷん等」の独自配合技術により肉汁を閉じ込め、肉をやわらかくするとのことです。酵素の作用で肉がやわらくなるのは、かなり昔から知られており、下の表にあげたような植物由来の酵素(プロテアーゼ)がよく用いられてきました。


 「お肉やわらかの素」のパッケージには、下のように書かれています。ただ、この製品の特長は、単に酵素で肉のタンパク質を分解するだけではなく、酵素分解によりほぐされた肉の繊維の隙間にでんぷんが入り込んで肉汁を逃さないということも重要とのことです。


 一方の味ですが、「お肉やわらかの素」には「グルタミルバリルグリシン」というペプチドが使用されています。これは、グルタミン酸、バリン、グリシンという3種のアミノ酸が結合したトリペプチドで、貝や醤油などに含まれる自然界に存在する物質です。


 グルタミルバリルグリシンは、甘味・苦味・酸味・塩味・うま味の基本味を増強するほか、味の厚みと広がりを増幅させ、口当たりのよさも改善するそうです。一昨年(2014/8)、厚生労働省の食品添加物認可を取得しています。


 今回紹介した「お肉やわらかの素」に関しては、味の素社のホームページに詳細な情報が掲載されています。この製品を利用したレシピも載っています。

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189:熟成肉は美味しくて体に良い(2015/05/25)
146:お肉検定(2013/08/10)
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食品のトピックス | 14:30 | 2016.05.10 Tuesday |