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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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関西限定?「ポールウインナー」

No.234


 「ポールウインナーソーセージ」をご存知でしょうか。今日、大手食肉加工品メーカーとなっている伊藤ハム株式会社が発展する礎となった製品と言われています。


 パッケージに記載されているように、伊藤ハムの創業者である伊藤傅三氏が1934年に開発しました。彼は挫折を繰り返しながら、資材が乏しかった時代にセロハンフィルムとコンニャク糊を利用した画期的なソーセージケーシングを完成させました。ポールウインナーは、現在でも年間約1億本が製造されています。しかし、大手メーカーの製品でありながら、見たことがないという方も多いのではないでしょうか。実はこのポールウインナーは、ほぼ関西だけで販売されています。


 私も、ごく最近までこの製品を知りませんでした。上の写真のパッケージは、先日、神戸に出張した際に手に入れたものです。スーパーでは10本入りのものが並べられており、コンビニでは2本入りのものがありました。右端の「おつまみポークウインナー」はローソンで見つけたものです。製造者は伊藤ハムで、外観もポールウインナーとほぼ同じですが、原料が少し違います。


 ポールウインナーは上の写真のようなもので、見た目は魚肉ソーセージによく似ています。ただ、下に示したように、主原料は畜肉(豚肉、マトン、牛肉)で、魚肉はまったく使用されていません。なお、上述のローソンで販売されている「おつまみポークウインナー」は、豚肉を主原料としています。


 最初にポールウインナーを食べたとき、魚肉ソーセージによく似ていると思いました。しかし、両者を食べ比べてみるとかなり違いがあり、ポールウインナーは畜肉(豚肉)の味が強い製品です。下の写真は、ポールウインナー(左)と魚肉ソーセージ(右)です。ポールソーセージの断面には小さな肉片や脂肪が見えますが、魚肉ソーセージの方は非常に均一でなめらかです。これは食感にも大きく影響していて、ポールウインナーの魅力になっていると思います。


 ポールウインナーの9割以上は、関西で販売されています。関西で誕生した製品ではありますが、他の地域での販売量があまりにも少ないのは少々不思議なことです。その理由のひとつとして、ポールウインナーを関東で展開させようとした昭和30年代には、すでに安価な魚肉ソーセージが普及していたことがあげられています。なお、ポールウインナーの歴史などについては、伊藤ハムのホームページ「ニッポン・ロングセラー考」といったサイトに解説があります。


 ポールウインターによく似た製品に、丸大食品「ゴールデンウインナー」(上写真)があります。見た目だけでなく、お味の方も似た感じのものです。後発のゴールデンウインナーの方が、価格的にはお手頃なようです。今回紹介した製品を食べたことがないという方は、関西を訪れた際にぜひ試してみてください。

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食品のトピックス | 12:11 | 2017.04.10 Monday |