<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

トピックス

北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

<< 食の歴史 | main | ペットフードのコラボ商品 >>

食品で記憶力を維持

No.245


 「機能性表示食品」の状況について、「機能性表示食品が続々登場」で紹介しました。その中で取り上げた機能の一つに「記憶力の維持」があり、関連する製品の数もかなり多くなっています。


 先日(2017/9/5)、ロッテから「記憶力を維持する」という大胆な製品名のガムが登場しました。新聞の全面広告でご覧になった方も多いのではないでしょうか。正確な製品名は、「歯につきにくいガム<記憶力を維持するタイプ>」ですが、パッケージでも「歯につきにくいガム」という部分は目立ちません。


 テレビCMも行われていますし、スーパーではレジ近くに配架されているところが多く、メーカーが力を入れていることがうかがわれます。店頭に置かれている小さなリーフレット(下写真)には、有効成分など製品の解説とともに、簡単な「記憶力チャレンジテスト」が載っています。


 この製品の有効成分である「イチョウ葉抽出物」について、少し触れておきます。イチョウ葉抽出物が記憶力を維持する効果を有することは、学術論文として報告されています。イチョウ葉抽出物を利用した機能性表示食品も、すでにかなりの数が登場しています。


 イチョウ葉抽出物に含まれる主要な有効成分(機能性関与成分)は、「イチョウ葉フラボノイド配糖体」と「イチョウ葉テルペンラクトン」です。それぞれの代表的な物質の構造を下に示しました。
 このような成分を含むイチョウ葉抽出物の摂取は、「言語性記憶課題」の正答数を有意に増加させます(Pharmacopsychiatry 36:127-133,2003)。


 イチョウは太古から地球上に存在し、今日まで生き永らえた生命力の強い植物と言われています。原爆を投下された広島で、イチョウの木が最初に芽吹いたという話もあります。ドイツやフランスで薬用としての研究が進められ、ヨーロッパではイチョウ葉抽出物は大きな市場を有する医薬品です。脳循環不全とそれに伴う機能障害(記憶力低下など)も、適応症のひとつとなっています。


 これまでに多くの機能性表示食品が登場しましたが、今回紹介した製品ほど大胆に機能性を表示したものはないように思われます。ルール違反ではないのでしょうが、多くの機能性表示食品のどこか控えめな表示に比べると、驚きを禁じ得ませんでした。今後は、このような形での表示をする製品が増えていくのかもしれません。

この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
240:機能性表示食品が続々登場(2017/07/10)
220:機能性食品と特許 〜食品の用途発明〜(2016/09/12)
192:ビールでも機能性食品(2015/07/10)
58:「消費者庁許可」特定保健用食品の行方(2009/12/11)
27:機能性食品の可能性と限界(2008/08/25)
食品のトピックス | 10:10 | 2017.09.25 Monday |