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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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ジャカルタ周辺の食料品市場

No.255


 先月末(2018/1)、インドネシアに行ってきました。最高気温が30度を超え、しかも雨季でしたので、体感気温はかなり高いものでした。私の住む青森県十和田市では、最高気温が氷点下に留まる真冬日もある時期なので、気温差の大きさに少々閉口しました。今回、ジャカルタにあるSyarif Hidayatullah State University Jakartaを訪れました。


 4年前に、ジャカルタに隣接するボゴールのBogor Agricultural universityを訪れました。このときは、「インドネシアの食品市場」で、バリ島の市場の様子などを紹介しました。「市場の島」バリ島の食品市場は、なかなか見応えがありました(下写真)。


 今回は、ジャカルタ周辺の食品市場の様子をご覧いただきます。ジャカルタ周辺は交通渋滞がひどく、どこもご覧のような状況です(下写真)。


 渋滞を抜けて到着したのが、ジャカルタ郊外(Ciputat)の食料品市場です。昔ながらの風情の市場ですが、雨季だったこともあり、市場内の中を通る未舗装の道路はかなりぬかるんでいました(下写真)。


 南国らしい果実が多く並んでいましたが、私の関心は専門でもある食肉です。イスラム教の国なので、圧倒的に多いのは鶏肉です(下写真左)。鶏肉に次いで多い食肉は、牛肉です(右)。常温での食肉の取り扱いは、アジアの国々ではよく目にする光景ですが、さすがに30度を超える気温では、衛生上の問題が気になりました。こういった伝統的な市場も、徐々に少なくなっているという話でした。


 南国では、樹木から巨大な豆の鞘がぶら下がっているのを見かけますが、インドネシアではこのような豆をよく食べるそうです(下写真左)。大豆をカビで発酵させたテンペは、最近は日本でも知られるようになりましたが、インドネシアの食卓には欠かせない食品です(右)。


「Pasar Modern Bintaro(パサール・モダン・ビンタロ)」と呼ばれる近代的な屋内市場が、最近は人気があるそうです(下写真)。確かに、Ciputatの市場に比べると、外国人でも安心して食料品の買い物ができます。


 空調の効いた清潔な室内市場です。ただ、食肉を冷蔵していないのは、多くの日本人には少し抵抗があるかもしれません(下写真右)。ここでは、食料品以外にも、衣料品や雑貨などが売られており、食事をすることもできます。市場とスーパーの中間的な存在と言えるかもしれません。


 郊外の繁華街には、様々な店が入ったビルがよくあります(下写真)。そういったビルの中には、食料品を扱うフロアがある場合が多いそうです。


 食料品フロアにあるそれぞれの店舗は非常に小規模ですが、特徴をもった店が目立ちます。食肉を扱う店も多く、正肉だけでなく内臓などの副産物も売られていました(下写真)。お客さんは、それぞれの馴染みの店で買っているようでした。


 下の写真は米(左)と総菜(右)を扱う店の様子です。写真の惣菜店に置いてあった食品は、大豆を発酵させた食品とのことでしたが、言葉の壁もあってテンペとの違いはよく理解できませんでした。


 ジャカルタ周辺には、日本人など外国人ビジネスマンが多く駐在しています。日本食レストランなどが入ったショッピングセンターもありますし、日本にあるような近代的なスーパーマーケットもたくさんあります。下の写真は、そんなスーパーのひとつです。


 食肉も果物も、日本と同じようにしっかりと温度管理された状態で配架されています。ここは4年前にも訪れたスーパーですが、一段と洗練されたように感じました。以前は、果物売り場にはドリアンの強烈な匂いが漂っていましたが、今回は見かけることもありませんでした。ハラルマークの入った日本製の食品が増えたのも、変化のひとつかもしれません。


 市場やスーパー以外にも、ジャカルタ郊外には露店がたくさんあり、果物を中心に売られています(下写真左)。そんな露店で買っていただいたドリアンを、滞在中にたっぷりといただきました(右)。



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食品のトピックス | 11:06 | 2018.02.26 Monday |