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トピックス

北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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森永乳業の百年

No.259


 前回、森永乳業の「トリプルアタックヨーグルト」という製品を紹介しました。その森永乳業は、昨年(2017/9/1)、創業100周年を迎えました。少なからずご縁のある会社ですので、たいへんおめでたいことだと思っています。


 先日、「森永乳業100年史」(2018年4月発行)という立派な記念冊子をいただきました。300ページにも及ぶものですが、この機会に日本の乳業全体を含めてあらためて勉強することができました。


 日本には、大手乳業メーカーとして、明治乳業(2011年に株式会社明治へ商号変更)、森永乳業、雪印乳業の3社があります(下表)。ほぼ同時期(大正5〜14年)に設立されたのは、当時の国内酪農の保護・育成の気運を背景としていたのでしょう。


 同時期に設立された3社ですが、それぞれのメーカーの歩みには違いがあります。森永乳業は、森永製菓が菓子原料確保のために設立した日本煉乳株式会社に始まります。その後、粉乳製造を手掛け、大きく発展しました。会社の詳しい歴史には触れませんが、森永ホモ牛乳、森永アイスクリーム、クリープ、森永マミー、森永ビヒダス、アロエヨーグルトなど、数々のヒット・ロングセラー製品があるのはご存知のとおりです。


 森永乳業の製品は、このトピックス欄でも紹介してきました。森永のおいしい牛乳ミルク生活シールド乳酸菌M-1濃密ギリシャヨーグルトパルテノリラックスミルクカレーヨーグルトチャイプリンなど、いずれも森永乳業ならではの個性が光る製品です。


 森永乳業では、長年の地道な研究成果を生かした高度な製品開発も行ってきました。ビフィズス菌ラクトフェリンに関する取り組みは、世界的にこの分野の研究をリードし、製品誕生にもつなげました。ミルクアレルギン除去食品として高く評価されている乳たんぱく質消化調製粉末 「MA・mi(エムエー・ミー)」も、森永乳業の研究成果がもたらした良質な製品です。


 かつて森永乳業は乳業界最大手のメーカーでしたが、1955年に起きた「森永ひ素ミルク中毒事件」によりその座を明け渡しました。「100年史」の中では、「復興期および高度成長期の展開」の章で、「当社が起こしてしまった痛恨極まりない事件」との旨が記されています。さらに、「森永ひ素ミルク中毒事件 恒久救済事業の完遂に向けて」という7ページにわたる独立した章が設けられ、事件発生から救済事業に至るまでが詳述されています。重い十字架を背負っていることを受け止めている真摯な記述は、二度と過ちを繰り返さないことを確信させるものです。


 森永乳業のホームページには、「100周年記念サイト」が設けられており、「森永乳業商品ヒストリー」がご覧になれます。これを見ると、1969年に日本初のびっくりアイス「マジックアイス」の発売がありました。小学生の頃にこのTVCMを見て、ずいぶん興奮したことを思い出しました。森永乳業には、今後もユニークな製品の開発を期待しています。

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258:塩・糖・脂(2018/04/10)
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103:グルコサミン・ヒアルロン酸・コンドロイチン硫酸(2011/10/25)
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食品のトピックス | 13:19 | 2018.04.25 Wednesday |