<< March 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

トピックス

北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

<< ヒスチジンは疲労感軽減アミノ酸 | main | 羊肉の魅力 >>

贅沢なヨーグルト「みるころ」

No.262


 今回は、「みるころ(MILK’ORO)エイジングヨーグルト」というちょっと贅沢なヨーグルトを紹介します。熊本県にあるオオヤブデイリーファームの製品です。この製品、立派な化粧箱に入っており、大いに中身を期待させます。


 箱を開けると、牛乳缶に似せたなかなか魅力的なガラス製容器が姿を見せます。食べ終えた後、この容器を捨ててしまう人は少ないのではないでしょうか。花瓶やペン立てによさそうです。


 3本入り(200ml × 3)で3,000円(税別)と、ヨーグルトとしてはかなり高価ですが、ずいぶん前に紹介した「世界一高いヨーグルト」のようなものもあります。


 このヨーグルトの上部をスプーンですくい取ると、2層になっていることがわかります。表面部分は濃厚なクリームの層で、これは生乳の乳脂肪が固まったものです。


 通常のヨーグルトではこのようなクリーム層がありません。それは、牛から絞った生乳に「均質化」という処理を加えるためです。これにより、細かい粒になった乳脂肪は比重を増すため、浮かび上がらなくなります。現在市販されている多くの牛乳は、この均質化をした後に加熱殺菌をしたものです。


 また、「みるころ(MILK’ORO)」は乳脂肪含量の多いジャージー牛のミルクを使用しているため、クリームの層がさらに厚くなっています。写真は、十和田市近くで飼われているジャージー牛です。


 酪農家だったオオヤブデイリーファームが乳製品製造に取り組んだとき、自分たちが生産している生乳の特徴をひと目でわかる製品を作りたいと考えたそうです。チーズでは製造過程で生乳の90%をホエーとして廃棄することに抵抗感があったとのことで、生乳を100%活かせるヨーグルトが目的に合致したようです。



この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
272:3種の生乳ヨーグルト(2018/11/12)
253:輸出されるヨーグルト(2018/01/25)
140:日本で最初のヨーグルト(2013/05/10)
129:ちょっと贅沢なヨーグルト(2012/11/27)
79:世界一高いヨーグルト(2010/10/25)
60:宇宙を旅したヨーグルト(2010/01/12)
食品のトピックス | 09:54 | 2018.06.11 Monday |