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北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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サラ牛・ペプ牛・GABA牛

No.270


 昨年(2017/3)、牛丼で有名な株式会社吉野家が、外食チェーンとして初めての「機能性表示食品」を発売しました。


 「サラ牛」という製品で、すでに販売されていた「冷凍牛丼の具」に「サラシア由来サラシノール」を配合したものです。サラシノールは、植物「サラシア」に含まれる成分で、糖の吸収と血糖値の上昇を抑えることが知られています。


 さらに今年(2018/2)になって、「ペプ牛」と「GABA牛」が登場しました。「ペプ牛」には、「グロビン由来バリン-バリン-チロシン-プロリン」(ペプチド)が含まれ、これは血中中性脂肪の上昇を抑えることが報告されています。一方の「GABA牛」には、血圧降下作用のあるGABA(ギャバ)が含まれています。ギャバはアミノ酸の一種で、生体内では神経伝達物質として重要な働きを演じています。


 「ペプ牛」と「GABA牛」も、機能性表示食品の届出をしている製品です。3年前(2015年)に制度が始まった機能性表示食品の受理件数は、すでに1327件(2018/6/30現在)に達し、特定保健用食品の許可件数をあっという間に抜いてしまいました。外食チェーンも注目するような状況になったので、当分この勢いは続くことでしょう。


 ところで、「サラ牛」というちょっとユニークな製品名は、吉野家の商標として特許庁に登録されています。商標については、以前、「食品と商標」(No.110)で解説していますので、そちらもご覧ください。「サラ牛」は、2017年2月に特許庁に出願され、2017年10月に登録されました。


 もちろん、「ペプ牛」と「GABA牛」も、商標として出願されています(2017/8)。「ペプ牛」の方は、すでに商標として特許庁に認められ、登録もされています(2018/5)。しかし、「GABA牛」は、まだ「審査中」となっています(2018/10/10現在)。今後、「GABA牛」が商標として認められる可能性はありますが、難しいだろうという専門家の話を耳にしました。


 一般に、「記述的商標」は認められないとされています。記述的商標とは、「普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」のことです。少し難しい話になってしまいましたが、「GABA牛」は「GABAの入った牛肉」という「記述的」な名称という判断になるのかもしれません。なお、「出願しても登録にならない商標」というのが、特許庁のホームページにあります。


 今回、吉野家の3製品を紹介しました。並べてみると、それぞれのパッケージの色の違いが際立ちます。当然、効果を狙ってのパッケージデザインかと思います。


 あらためて言うまでもありませんが、食品のパッケージデザインは製品の成否を左右するものです。吉野家の3製品を見て思い出したのは、明治の「プロビオヨーグルト」シリーズです。ヒット食品として有名なものですが、パッケージの色(デザイン)もヒット要因のひとつではないでしょうか。



この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
240:機能性表示食品が続々登場(2017/07/10)
187:プリン体と戦う(2015/04/27)
110:食品と商標(2012/02/11)
食品のトピックス | 14:13 | 2018.10.10 Wednesday |