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トピックス

北里大学獣医学部教授・有原圭三(株式会社フード・ペプタイド代表取締役)が、食品を中心とした情報を発信します。

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罪なきからあげ

No.298


 今回紹介するのは、「罪なきからあげ」です。ポテトチップスで有名な湖池屋の製品で、2019年9月に東東京・千葉エリアで販売を開始し、順次販売エリアを拡大しているとのことです。


 「からあげ」が製品名になっていますが、スナック菓子です。下の写真からわかるように、外観は確かにからあげです。ただ、大きさは直径2〜3センチ程度と小ぶりです。実際に食べてみると、あつあつの本物のからあげにはかないませんが、からあげの食感と風味があります。


 パッケージ上部に「大豆たんぱく質でつくった」と書かれているように、植物性の「代替肉」を原料とした製品です。パッケージの原材料名を見ると、鶏肉や豚肉を含む肉エキスパウダーを使用しており、結構肉っぽい風味を有する製品となっています。じっくりと噛み続けていると、大豆の風味も感じられますが、スナック菓子としては上出来に思われます。


 製品名にある「罪なき」というのは、低カロリーを意図しているようで、「うれしい124kcal」という表示がパッケージに見られます。

 
 代替肉として大豆たんぱく質を利用した食品は、すでに日本でもかなり販売されています。前々回の「培養肉の実用化は近い?」でも紹介したように、下の写真のような食品をスーパー等で目にする機会も増えています。今回、大豆たんぱく質を利用したスナック菓子を紹介しましたが、徐々に用途を拡大していくことでしょう。


 米国の調査会社による予測(下グラフ)によると、今後、植物肉(植物たんぱく質)の利用が拡大し、肉全体に占める割合が2040年には25%程度に達するとのことです。もっと気になるのは、現時点ではまだ実用化されていない「培養肉」が植物肉を上回る勢いで普及すると予測されていることです。


 植物肉や培養肉といった代替肉が、20年後に60%を占める状況は想像しにくいのですが、最近のこの分野の研究開発動向を見ると、まったくの夢物語とも思えなくなってきています。毎年、年末になると、未来予測を特集した雑誌が書店に並びます。先日手にした「日経トレンディ」誌(2020年1月号)も、「トレンド、経済、テクノロジー 大予測 2020-2021」を特集としていました(下写真)。


 この特集における41のキーワードのひとつに、「代替肉」が取り上げられていました。すでに商業的な軌道に乗っている植物肉に加えて、培養肉も「ここ数年で一気に実用・量産化の道筋が整いつつある。」と書かれていました。


 今回は、本年最後のトピックスです。どうぞ、よい新年をお迎えください。

この記事に関連する記事はこちらです。ぜひお読み下さい。
297:培養肉が必要な理由(2019/12/10)
296:培養肉の実用化は近い?(2019/11/25)
271:鶏の唐揚げと青森県民(2018/10/25)
230:チーズのような豆腐(2017/02/10)
105:鶏の唐揚げの科学(2011/11/25)
食品のトピックス | 10:43 | 2019.12.25 Wednesday |